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【2025/03/14 22:04 】 |
ぼくらは“未完成”の「iPad」に期待しすぎていたのだろうか

現地リポートまとめでは、
iPadが登場した意味やそのインパクト、これからの展開について考える。

iPadは出版業界の救世主になれるのか?

iPadはよくできた優秀なデバイスか? あるいは未完の大器のままで終わる製品か?

iPadの正式発表後、さまざまなメディアの報道やコラム、
ブログなどでこの注目の新デバイスの感想や意見が書かれてきた。

では少しビジネス的視点から話を進めてみよう。


どの部分を切り出すかで製品の完成度の見方が変わり、その評価も大きく変化するだろう。

これまで紹介してきた動画を見ても分かるように、
iPadの非常にスムーズでストレスないのUIは、
ハードウェアと内蔵ソフトウェアともに完成度の高さを示している。
iTunes StoreやApp Storeの既存資産もあり、iPod touchの上位互換デバイスとしてみた

iPadはかなり優秀な製品だ。

 だが一方で、期待されていたiBookstoreについての

概要は現時点でほとんど不明であり、
当初うたわれていたほどの「業界の救世主」といった面影はほとんど感じられない。
デモも時間の大部分は基本機能や
App Storeの互換性、アプリのiPad対応のメリットを語るのみで、

iBookstoreなど周辺サービスの整備状況や、

iPadの具体的な利用シーンについての説明は少ない。
こうした点を見ると非常に未完成なデバイスだと感じる。

 EPUB形式をサポートするとは伝えられているものの、
DRMの状況やパートナー各社の対応、
肝心の価格については不明で、
元麻布氏がコラムで指摘するようにコンテンツ部分の透明性確保がなに
より急務だと考えられる。
利用シーンがいま1つアピールできていないのもユーザーが
評価に迷う原因となっており、「でかいiPod touch」というコメントが出てくる結果となる。

●コンテンツ流通における問題

 今回、ジョブズ氏がプレゼンテーションで紹介した

 空港から吹雪に見舞われたニューヨークまでの
過程で見たのは、多くのKindleユーザーだ。
西海岸ではあまり見かけないKindleだが、

片道6時間以上の長い旅のお供や、
電車移動が中心のニューヨーク周辺では必然的に見かける機会が多い。

本好きに電子書籍は潜在的需要が大きいことが分かる。

 また、ニューヨークには多くの大手出版社や新聞社が集まっている。
タイムズスクエアからものの10分や15分もしない距離の一等地に、

名だたる出版社らの巨大ビルが林立している。
広告収入と発行部数の減少で苦境に立つ出版業界が、新たな収益源を探すのも必然といえる。

 こうした大手出版社や新聞社らがAppleとの
提携に積極的だった理由の1つが、
電子ブック市場でのAmazon.comのシェアの
大きさと価格決定力だ。市場シェア6割以上と
2位のソニーを倍近い規模で引き離し、
新刊であっても1冊9.99ドルというKindleルールを決めたのは

Amazon.comだ。

他社は事実上これに対抗する術を持ち合わせておらず、
Amazon.comに対抗するためには「ある程度以上のヒットが見込まれる製品を開発している

Appleと組むのがベター」という判断が元だろう。

 しかし、スペシャルイベント時点で発表されたiBookstoreの
提携パートナーは5社のみで、
内容もいわゆる書籍モノが中心だとみられる。
自ら雑誌配信を模索していたTime Inc.やConde Nast、Hearstなどの

名前は挙がっていない。この配信システムでは、
各社の雑誌はサブスクリプションまたは売り切り型の
従量課金が検討されている。AppleのiPadは、
こうしたシステムのオプションの1つとして扱われ、
Webでの記事の無料公開による売上低迷に苦しむ

出版社を救うものとみられていた。

だが、


現時点でiBookstoreにここまで込み入った話があるようには思えない。

 販売されるiBooksの単価や、

課金方法も課題だ。まず単価については面白い話がある。
Los Angeles Timesがブログの中で、Apple CEOのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏がプレゼンテーション終了後の記者らの質問に答えたコメントに触れている。
インタビューを行っているのはWall Street Journalの
デジタル技術コラムでもおなじみの
ウォルト・モスバーグ(Walt Mossberg)氏で、

その内容は、同じくWSJ内のAll Things Digitalのコラムニストである

カーラ・スウィシャー(Kara Swisher)氏が、自身のブログ「BoomTown」内にビデオとして掲載している。

 ジョブズ氏はモスバーグ氏による電子書籍分野への取り組みについての質問で「出版社らは本心ではAmazonから手を引きたがっている。なぜなら、彼らの関係は幸せではないからだ」と答えており、価格について聞かれると「同じになるだろう」とコメントしている。

 当初のリーク情報では9.99ドルという価格設定に不満を持つ出版社らに対し、Appleは9.99ドルだけでなく、12.99ドルや14.99ドルといった価格オプションも用意し、より広い選択肢を提案していたと言われるが、もしジョブズ氏のコメントが書籍単価を指すのであれば、9.99ドルで横並びということになる。これでどのようにAmazon.comと差別化を行い、出版社らを納得させられる交渉を持っているのか不明だが、電子書籍市場について強気の見通しを持っていることは確かなようだ。

 ひとまず単価の話は置いておくとして、iBookstoreもまたiTunes Storeと同様に、DRMを利用して1冊売り切り型のビジネスを展開するつもりなのだろうか。課金システム自体はすでにAppleが長年運用しているものなので問題ないとして、サブスクリプション形態の課金方法がいまのところAppleに存在しないことと、仮にサブスクリプションがあったとしてどのようにデータ更新を行うかが問題となる。

 例えば、雑誌社や新聞社にとってみればサブスクリプションのほうが安定した収入になるし、定期的に記事を更新できるシステムは、日々ニュースを配信する新聞で特に有効だ。事実、Kindleではサブスクリプションを導入し、Whispernetと呼ばれるネットワーク配信システムを使って、記事をつねに最新の状態に保つことが可能だ。

 一方、iPadはネットワーク接続機能を持つとはいえ、データは基本的にMacまたはPC側でストアすることが前提のため、プッシュ配信で強制的に書き換えるようなシステムには向かない可能性がある。Kindleの電子ブックの実体はオンライン側にあり、Kindleデバイスはあくまでオフラインリーダー的なものだからだ。

●コンテンツ配信もApp Storeで?

 Appleのこれに対する回答は、App Storeにあると思う。同社は無料/有料を問わずにApp Storeで扱うアプリのアプリ内課金を認める方針を出しているが、これを応用するのがまず1つの方法だ。例えば、日本では産経新聞の朝刊がすべて無料で読めるアプリが有名だが、これを利用すると前述のプッシュ配信や柔軟なアプリ内課金が可能になる。

 スペシャルイベントで公開されたNew York Timesリーダーが好例だろう。Webコンテンツへの従量制課金(一定回数まで無料ページを閲覧できるが、規定回数を超えると支払いなしでページが見られなくなる)を発表した同社だが、NYTリーダーは課金を容易にする仕組みとして活用できる。優秀なリーダーアプリであり、コンテンツの差別化が図られているなら十分にビジネスになるだろう。Wall Street Journalのように、オンライン課金とはまた別に、モバイルアプリユーザー用にさらに課金を行う新聞社もある。

 これに関して興味深いと思ったのが、スペシャルイベントで行われたiPadによるWebブラウジングのデモだ。ジョブズ氏がNYTのWebサイトを開いたところ、Flash動画が埋め込まれている部分だけ何も表示されず、「要プラグイン」の青いアイコンだけが表示されていた。その一方で、NYTリーダーの専用アプリを通してみると、おそらくQuicktimeベースの動画プレーヤーが呼び出されるようで、問題なくコンテンツすべてが表示された。iPhone OSでのFlashの動作を認めていないAppleならではの事件といえるが、「複雑でより柔軟なことをしたければアプリを活用してほしい」という同社のメッセージにも見える。

 これはAppleがApp Storeを非常に重視していることを意味している。ゲームやツールはもちろんのこと、MLB.comのアプリのように、本来はWebだけでも大丈夫そうなサービスでさえアプリ化することで、よりApp Storeをアピールしているのではないだろうか。力のある大手はむしろどんどんアプリ作りに参加して、その中でコンテンツを拡充させたほうがメリットがあるかもしれない。

 iBookstoreと並んでiPadで未知数なのが教育市場への浸透だ。教育出版大手としても知られるMcGraw-Hillは、今回のAppleタブレット騒動で最後のリーク情報を流した企業だ。その同社は当然Appleとパートナー交渉を持っていると思われるが、今回は提携企業に名前が挙がっていないどころか、ジョブズ氏は教育分野でのiPadの取り組みについてほとんど何も語っていない。

 これは教育市場を意識していない、あるいはMcGraw-Hillと交渉が決裂したというよりも、いまだ交渉中で先の展開が見えていない状態の可能性がある。iPadの機能アピールを最小限に抑えることで、製品のアピールポイントが拡散することを防いでいた可能性もあるが、電子ブックと並んでむしろまだ発展途上にあると考えたほうが自然かもしれない。

 今回のイベントで感じたのは、リーク情報で「有力なKindle対抗馬」「電子ブックリーダー期待の新星」「教育市場も制覇」といった話が飛び交い、ユーザーやアナリストらの期待が膨らみすぎてしまったのではないか、ということだ。この前評判がマイナスに作用した可能性がある。“未完の大器”というわけではないが、iBookstoreの推移は今後数年をかけて見守っていくべきなのかもしれない。そのとき、iPadはどのような形で市場に残っているだろうか。

●PCとスマートフォンの中間で

 iPadを初めて目にしたとき、実家の両親に触らせたらどうなるかを考えた。2人ともになかなかいい年齢に達しており、本人らも新しいことを覚えるのは苦手だと認めている。当然PCを渡しても最低限の操作しかできず、何かちょっとでもトラブルがあると私がヘルプデスクとして呼び出されることになる。

 もし比較的シンプル化された端末で、直感で操作でき、ある程度以上のことができたらどうだろう。こうした高齢層や教育現場、そしてPCとは縁のやや薄い一般層あたりには需要があるのではないか、などと筆者はいつも考えている。いわゆるPC的な端末の家電バージョンやアプライアンスといったものだ。

 iPadにそんなことを期待してみたが、実際にはiPadはPCコンパニオンの1つという扱いで、基本的に母艦となるデバイス(この場合はMacかWindows PC)が必要だ。データや設定はすべてPC側で保存されており、必要に応じてUSBケーブルで接続してバックアップを取ったり、データを同期したりする必要がある。一方でiPadのサイズではiPhoneにはなり得ないし、iPhone、iPad、Macの3種の神器をそろえて初めてさまざまな生活シーンに対応できるというのがAppleのメッセージだと思う。iPad的なカテゴリの製品が独立したデバイスとして存在するようになるのは、まだ先の話のようだ。

 MacやiPhoneを売るのが前提にあるとはいえ、もう少しデバイス間の依存関係を切り離せないものか。例えば、同期はすべてインターネット経由でも問題ないはずだ。GoogleではAndroid携帯のデータはすべてオンライン側にあり、故障してデータが消失してもいつでも書き戻せるとしているが、アプリなどのデータは引き継がれないため、結局バックアップ用のツールが必要になる。このあたりついてはAppleが買収したLala Mediaの存在をきっかけに、コンテンツがネットワーク側に移動していく世界に期待したい。

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【2010/02/03 16:25 】 | news | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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